どうもです。
拓です。
かつての、『週刊プロレス』(以下、週プロ)と『週刊ゴング』(ゴング)という日本のプロレス雑誌を代表する二誌がありました。
90年代のプロレスに熱狂し、現行のプロレスファンでもある僕は、当然プロレス雑誌を愛読していました。
当時のプロレスファンて、『週プロ派』と『ゴング派』で分かれるのが普通でしたが、僕は完全に『週プロ派』でした。
そして、売り上げの面でも『週プロ』が上回っており、僕の周りのプロレスファンも『週プロ派』が多かったです。
当時を振り返り、ふと考えてみると、なぜ週プロの方が人気だったのか、その答えが分かったような気がしています。
週プロとゴングの違いには、人に読まれる記事を書くための大きなヒントが隠されていたのです。
週プロとゴングの決定的な違い
週プロとゴングは、両誌とも毎週木曜日に発売され、お互いをライバル視するバチバチの間柄でした。
同じ日に発売されるので、掲載している試合は基本的に同じです。
なので、どっちを選んでもいいんじゃないかと思うのですが、そうではありません。
両誌には決定的に違う所がありました。
まずはゴング。
ゴングは基本的に試合内容をしっかり伝える構成になっており、写真が多めで、各試合の序盤からフィニッシュまでの流れを詳細に記事にしていました。
なので、試合内容や結果を知らない身としては、とてもありがたい雑誌でした。
そう考えると、ゴングはプロレス雑誌の機能をきちっと備えている雑誌と言えるのかもしれません。
でも、売り上げ面では週プロが圧倒していました。
では、週プロはどんな内容だったのでしょうか?
基本的には、週プロも直近の試合が掲載されているので、そういった点ではゴングと変わりません。
普通に試合の写真も載っていました。
しかし、週プロは記事の内容がゴングとは違いました。
ゴングが試合内容を詳細に追いかけていたのに対し、週プロの記事は全く別のことが書かれていました。
- 記者が感じた勝者と敗者の心情。
- 対決に至る選手たちの遺恨や経緯。
- 1発の技に込めた選手の想い。
- 入場時に選手がどんなことを想っていたのか。
などなど、記者の目から見た、選手や試合への主観が書かれていました。
試合の結果は分かるようになっていましたが、試合の流れなんてほとんど書かれていなかったように記憶しています。
そんな週プロを、毎週ワクワクしながら友人たちと学校で回し読みしていました。
普通に考えれば試合内容を知りたくてプロレス雑誌を買うような気がするんですが、実はそうでは無かったんです。
その試合に対しての記者の考え、想い。
そういった部分に共感したり納得したり、時には反発したりするのが楽しくて僕は週プロを選んでいたんです。
よくよく考えれば、試合の結果や展開ってテレビで見れば分かるんです。
その試合を見て、僕たちファンもいろいろな想いを巡らせます。
それぞれのファンが選手や試合に想いを巡らせながら、それぞれの記者が発信する想いに触れることで、共感したり、納得したり、違和感を覚えたりするのが、読み物としての週刊プロレスの面白さだったんです。
取材拒否になった週刊プロレス
そんな週プロでしたが、一時、いくつかの団体から取材拒否を受けました。
確か、新日本プロレスとUWFインターとWARだったと記憶しています。
理由としては、記者の主観が入りすぎて各プロレス団体の意向やストーリーラインとのズレが生じることがあり、各団体へのマイナスイメージになるとか、そんな感じだったと思います。
特に新日本プロレスあたりは業界のトップですから、この時ばかりは週プロの売り上げがガタ落ちし、ゴングの方が売れていました。
この結果だけ見ると、週プロの記事は良くなかったと感じます。
ですが、それだけ週プロの記事が尖っていて、各団体が何かしらの対応をしなければならないほど響くものだったということです。
当然、プロレスファンにも響く記事だったということです。
週プロでも対応に追われ、人事を変更するなどして、後に取材拒否を解かれます。
その後は、若干マイルドになったように感じますが、この記事を書いている現在、週刊プロレスは今なおプロレス雑誌のチャンピオンとして毎週発売されています。
一方の週刊ゴングは、プロレスが低迷期に入った2000年代半ばに休刊となり、現在はコンビニや書店に並ぶことはありません。
総合格闘技の人気に押された2000年代のプロレス低迷期を生き延びた『週刊プロレス』。
一方、低迷期を乗り切れなかった『週刊ゴング』。
その理由が、両誌の記事の違いにあるのかなと感じています。
読者に響くブログ記事の書き方
ゴングは試合内容を丁寧に説明するありがたい雑誌でした。
僕は週プロ派だったとはいえ、ゴングにも随分お世話になりました。
ですが、ファンが求めていたのは、結果的に週プロでした。
ゴングが展開していた記事は、あくまで試合を追いかけたものに過ぎませんでした。
しかし、結果や内容は、テレビを見れば分かります。
結果や内容という情報を提供するだけでは、ファンは満足しませんでした。
今風に考えれば、Wikipediaを見れば全て分かる情報を提供していただけなのかもしれません。
例えばamazonで商品を買おうと思った時、商品の機能も気にはなりますが、それ以上にレビューで寄せられた『商品の使用感』『実際に使った人の感想』などの方が気になります。
人が知りたいこと、読みたい記事というのは、機能的な情報だけではなく、それに対する考え、感想、想いだったんです。
ブログやアフィリエイトで記事を書く際も、ついつい情報の提供だけに留まってしまうことがあるかもしれません。
自分の意見を言うのは怖いし、自信が持てなかったりするかもしれません。
ですが、そこに自身の考えを加えることで、より読者さんの共感を得られる、楽しんでもらえる内容になるのかなと、今になって青春時代のプロレス雑誌から感じたのでした。
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