【白石稲荷山古墳】一番好きな古墳【白石古墳群】

どうもです。

拓です。

 

僕の暮らす群馬県は、全国でも屈指の巨大古墳の密集地。

100メートルを超える古墳が当たり前のようにある。

その中でも、僕が1番好きな古墳。

『白石稲荷山古墳』

写真だと分かりづらいかもしれないけれど、全長155メートルとも175メートルとも言われる巨大な前方後円墳。

大阪にある400メートル級の古墳に比べれば小さく感じてしまうかもしれないけれど、150メートル級の古墳なんて全国にもそうあるもんじゃない。

古墳の裾に立つと、その巨大さがよくわかる。

 

このお墓に誰が眠っているのかは分からない。

でも、確実にこの場所に1500年前の人たちの営みがあったのは間違いない。

 

この古墳の横にある、片側一車線の交通量のさほど多くない国道。

その国道を進み、カーブを曲がり終えたその瞬間、右手の奥、桜の木で装飾された後円部が突如として目に飛び込んでくる。

最初にここを訪れた時、予期せず出現した巨大な後円部の存在感に圧倒され、思わずブレーキを踏んでしまったのを覚えている。

 

今では、国道沿いに巨大古墳があるのは分かっている。

それでも、訪れる度にいつも圧倒される。

1500年間変わらずに、ずっとずっとこの場所で、その存在感をアピールし続けた手練れの成せる技だ。

 

 

白石稲荷山古墳は、綺麗に復元されているわけではない。

観光誘致されているとも言えない。

実際、墳丘に登るための階段も無い。

降りる時には、滑り落ちそうになる時もある。

前方部も、ハッキリとした形を認識しづらい。

もっと墳丘に登りやすくて、鍵穴の形がよくわかる前方後円墳は、他にもたくさんある。

時代の流れとともに風化が進んでいる古墳、それが白石稲荷山古墳。

 

では、人の手が全く入っていないかと言われると、そういうわけでもない。

古墳と言えば、木々が鬱蒼としていて半ば森のような状態、歴史の教科書の最初の方に載っているアレを思い浮かべることも多い。

事実、群馬県内にある巨大古墳も、そういう状態のものが多い。

 

でも、白石稲荷山古墳は、後円部に桜の木があるだけで、あとは小ざっぱりしている。

明らかに、最低限の整備はされている。

復元されてるわけではないけれど、全く放置状態というわけでもない。

このバランスが絶妙な古墳、それが白石稲荷山古墳。

 

前方部は形が崩れつつあるし復元もされていない。

そのおかげで、1500年前からそこにあり続けた経年変化、つまり時代の流れを感じることができる。

古墳の真横にはゴルフの打ちっぱなしがあって、景観を害している。

でも、1500年前と現代の人工物の共演と考えれば、それはそれで感慨深いものがある。

これも白石稲荷山古墳の持つ『味』のひとつ。

 

一方で、木が生い茂っていないので墳丘の形が分かりやすく、その巨大さ、そして圧倒的な存在感が分かりやすい。

森のようになっていないからこそ、前方部の形状がわかりづらことが、わかりやすくなっているとも言える。

 

そして、墳頂にある桜の木によって、独特の優雅さが添えられる。

桜が咲き誇る春先は、優雅さが一気に主張してくる。

その桜という脇役が、白石稲荷山古墳という主役を、大きく引き立てる。

空の青と雲の白、桜の淡いピンク、そして墳丘を覆う緑。

この時期限定で、絶妙な色彩を帯びる。

 

いつか、この桜の木の下で一人で花見に興じてみたい。

そして、うまい濁酒(どぶろく)をキュッと一杯いってみたい。

そんな夢がある。

この時ばかりは、空の青、桜の薄淡いピンク、墳丘を覆う緑、そして濁酒の白、という色彩になる。

 

1500年という時の流れと経年変化、そして巨大古墳ならではの圧倒的な存在感、それらを引き立てる優雅な桜。

この三位一体を兼ね備えた巨大古墳。

それが白石稲荷山古墳。

僕が一番好きな古墳。